スワイプのアト

2026.07.10
スワイプのアト

ソーシャルメディアのリール動画では、縦方向にスワイプすることで、コンテンツが次から次へと流れていく。スワイプをするたびに、思いがけないものに出会うこともある。しかし画面を閉じると、時間だけが過ぎたように感じることもある。

親指を数センチ動かすだけ。ほとんど労力を必要としないまま、私たちは時間を費やし続けることができてしまう。 スワイプし続けたあと、何が手元に残るのか。

《スワイプのアト》は、スワイプ行為そのものに目を向ける作品である。スワイプの後に残る跡をたどり、その痕跡を通じて、スワイプという行為を見つめ直す。

(協力: 日本デザインセンター 田中直人)

ショート動画風のアプリと動画を自作
ショート動画風のアプリと動画を自作
インクの跡が残るだけでなく、ペンによってメモ帳が削れていく
インクの跡が残るだけでなく、ペンによってメモ帳が削れていく

この作品は、作者のこれまでの研究で得た知見を元に着想し、作品化している。

痕跡を残すため、スワイプの動きをイメージし、ペンでインクの跡を残す表現を用いている。展示が進むにつれて、紙が物理的に削れていくという、意図していなかった変化も表れている。また、モーターも10日間の展示期間で4つ故障した。

スマホをスワイプする時には、多少の指紋が残る程度で、もちろんスクリーンは削れないし、親指も消耗しない。本来意識しないスワイプという行為を違った目線から考えてみるといった表現になっている。